2006 Fiscal Year Annual Research Report
不応性貧血の臨床特性における民族差に関する日独中国際比較研究
Project/Area Number |
18406033
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 智子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10346968)
対馬 秀樹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70359959)
岩永 正子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00372772)
陣内 逸郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70162823)
松田 晃 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10219438)
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Keywords | 国際研究者交流 / 日本:中国:ドイツ / 骨髄異形成症候群 / 不応性貧血 |
Research Abstract |
骨髄異形成症候群(MDS)の中で最も高頻度である不応性貧血は他の病型と比較し診断が難しく、鑑別診断が困難なことも少なくない。従来から文献上で指摘され、平成16年の我々の日独比較研究でも明らかになった本邦と欧米の臨床像の差異が、日本人だけではなくアジア人と欧米人との一般的な民族差であるかどうかを明らかにするために本研究を計画した。中国から8名、韓国から3名、国内から6名の血液専門医が参加し第2回日中MDSカンファランスを開催した。最初に、各国のMDSの診断と病型分類の現状を講演形式で発表し討論を行った。骨髄標本の染色法など技術的な問題についても討議し、日本で常用しているMay-Grunwald Giemsa染色と中国・韓国で常用されているWright Giemsa染色およびWright単染色の間において、染色パターンに大きな違いはないことが確認できた。次に各病院のMDS10〜20症例の臨床データ及び骨髄標本をもちより、最新のテレビカメラ付き顕微鏡を用いた共同鏡検を実施した。MDSの診断において最も重要な3血球系の形態学的異形成の判定については、昨年度の第1回カンファランスですでに中国側との診断一致率(95%)が極めて高いことが確認されていたが、今回の検討でもそのことを再確認した。したがって日中間では、MDSの診断と病型の比較が実際に可能であると判断された。 日本とドイツのMDSとの違いが大きいという日独共同研究の結果に対して、アジアでは、少なくとも日中間にはほとんど差異がないことが分かった。韓国のMDSとは異形成の判定でなお不一致部分が大きく、今後さらに共同鏡検を実施する必要性があるものの、大きくは異ならないことも示唆された。今後さらに症例集積を続け、その診断と病型について、平成19年度は10月に北京において第3回カンファランスを開催することで合意した。
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