2007 Fiscal Year Annual Research Report
不応性貧血の臨床特性における民族差に関する日中国際比較研究
Project/Area Number |
18406033
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 智子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10346968)
岩永 正子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00372772)
陣内 逸郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70162823)
松田 晃 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10219438)
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Keywords | 内科 / 臨床 / MDS / 国際比較 |
Research Abstract |
1.不応性貧血(RA)の形態学的診断基準の標準化 RAの診断は形態診断によるところが多く、FAB/WHO分類に従い行われているが、形態異常の判定基準については、確立されていない。われわれは、厚生労働省の「特発性造血障害に関する調査研究班」と共同し、より詳細な形態学的診断基準を提唱できた。すなわち、好中球におけるpseudo Pelger-Huet異常と無顆粒好中球、巨核球における微小巨核球、赤芽球における環状赤芽球をMDSに特異性の高い形態異常ととらえ、カテゴリーAとする。これ以外の形態異常をカテゴリーBとする。カテゴリーA+Bが10%以上あれば、異形成ありとするものであるが、その異形成を定量的に評価し、程度を判定することにより診断確度を区分している。日本と中国を相互に訪問し、両国の不応性貧血や再生不良性貧血症例の血液および骨髄標本を共同顕鏡し、この基準に従って診断し妥当性を検討した。その結果、診断一致率は高率であり、両国で十分使用可能な基準であることを確認した。 2.WHO分類の純貧血型RAと多血球系型RAの分類再検討 WHO分類で使用された形態異常の基準はドイツのDr.Germingらの基準を改変したものである。この詳細について新たな基準を確立し、日中の症例について検討を行った。診断一致率は高いことが確認されたが、現在それぞれの診断確度について検討を続けている。 3.RAの臨床検査データ、予後の比較 本年度は各国で不応性貧血の生存期間を含む長期経過の調査中である。総括を次年度に行い、また以前に行った日独比較研究の結果とも比較する予定である。
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