2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500005
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浅井 健一 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10262156)
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Keywords | 部分継続 / プログラム理論 / 情報基礎 |
Research Abstract |
本年度は、主に継続計算の処理系作成のための基礎技術の確立、及び継続計算の直接実装に関する研究を行い、以下のような成果を得た。 ・Danvyらの提案するfunctional derivationの手法を継続計算に適用し、CPSに基づいた継続計算のセマンティクスと等価な抽象機械を導出した。その際、スタックを導入する変換、および環境を退避するようにする変換を新しく導入し、その正当性を証明した。これらふたつの新しい変換により、導出された抽象機械では関数呼び出しにおける変数の退避・復活、およびshift/resetにおけるスタックのコピーがモデル化できるようになった。 ・MinCamlコンパイラをベースにしてPowerPCの機械語を出力するような継続計算に対するコンパイラを実装するとともに、その中枢部分を詳細に検討し、実装方法を明らかにした。これは、継続計算のスタックコピーを使った最初の機械語の実装であり、これによってshift/resetを使ったプログラムを効率的に実行できるようになっただけでなく、初めてshift/resetのいろいろな実装法の間の効率の議論をできるようになったと考えられる。また、今後、同様の実装をする際の見本となることが期待される。 ・スタックのコピー量を減らすため、スタックコピーを遅延させる手法を提案、実装した。各種の応用プログラムをその上で実行し、実行速度とコピーされるスタックの量の観点から、その性能評価を行った。その結果、スタックのコピー量と実装のオーバーヘッドの間の関係など、いろいろなことがわかるようになった。
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Research Products
(6 results)