2006 Fiscal Year Annual Research Report
最適化問題の高速解法のためのリコンフィギャラブル専用エンジンに関する研究
Project/Area Number |
18500042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
若林 真一 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (50210860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 忍 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (10405491)
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Keywords | 2次割当問題 / タブー探索法 / FPGA / 並列処理 / パイプライン処理 |
Research Abstract |
本年度の研究では、2次割当問題(QAP)に対し、タブー探索法に基づくハードウェア解法を提案した。2次割当問題(Quadratic Assignment Problem、QAP)はNP困難な組合せ最適化問題の1つであり、数理計画法等の通常の手法では最適解を求めることが困難であることが知られている。また、タブー探索法とは、組合せ最適化問題を解くための発見的解法の一つであり、許容解xの近傍N(x)全体の中で、x以外の最良の解を次の解として選び、この操作の繰り返しにより最適解を求めていくものである。提案アルゴリズムはFPGAの大規模内部メモリを効率よく利用することで、複数の近傍解を並列処理により同時に評価し、かつ、各解に対する目的関数の評価をパイプライン処理で実行することで近傍解の評価時間を大幅に短縮している。この結果、従来のソフトウェア解法と比較して非常に短い実行時間でタブー探索法に基づく近似解を得ることを可能とした。また、FPGAのプログラム可能性を利用することで、問題サイズとFPGAチップの規模を考慮した最適なハードウェア構成が実現可能になった。 提案手法をVerilog-HDLハードウェア記述言語を用いて設計し、FPGA上に実現して性能を評価した。評価実験の結果、提案ハードウェア解法はクロック周波数においては、ソフトウェア解法を実行したパーソナルコンピュータのCPUの26分の1のクロック周波数であるにもかかわらず、問題サイズが256の場合、提案ハードウェア解法はソフトウェア解法と比較して、1665倍高速に問題の最良解を出力することができた。 本年度に得られた研究成果については、国内学会の研究会等で発表するとともに、関連する国際会議においても発表を行った。
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