2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500047
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
川島 幸之助 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90345330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坐畠 智 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (30361744)
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Keywords | 情報ネットワーク / 通信トラヒック / ピアツーピア / インターネット / ブロードバンド / トラヒック測定 / トラヒック分析 / P2P |
Research Abstract |
P2Pオーバレイネットワーク上では主として音楽,動画ファイルが交換され,非常に大きなトラヒックの発生源となっている.しかし,匿名性の高い通信方式を用いているため、トラヒックの実態はあまり良く知られていない.この問題を解決するため,日本で最も人気のあるP2Pファイル共有アプリケーションであるWinnyに対するトラヒック特定方式を開発した.提案する特定方式はピア間のトランスポート層でのクライアント/サーバ関係に着目している.よって,アプリケーション層レベルのパケットの解析は必要としない.インターネット上のWinnyピアとの接続による評価実験により,提案する特定方式の未検知率は0.053.-0.116である一方,誤検知率を1/10000以下に押えることが可能であることを示した. さらに開発したWinnyトラヒックの特定方式を用い,ISPのトラヒック測定によりWinnyトラヒックの特性を明らかにした.Winnyのトラヒックは,上り,下り方向ともに同じような特性を持ち,本研究の結果では4.6%のファイルを転送するためのフローが99%のトラヒックを生成することを例として明らかにした.1つのファイルが複数のフローにより転送されるため,極端に大きなフローは生成しないが,複数のフローを用いてファイルのダウンロード時間を短縮しているため,ピア毎では大量のトラヒックを生成する.短時間ではピアあたりのアップロードトラヒック量とダウンロードトラヒック量の間にそれほど相関は見られなかった.それは,Winnyではファイルのアップロードに対して明確なインセンティブが存在しないためである.Winnyピアはアップロード帯域とストレージをファイル共有ネットワークに提供することにより,緩やかなインセンティブの仕組みが働き,ファイル共有ネットワーク全体としては実用的に機能しているものと考えられる.
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Research Products
(15 results)