2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
林 幸雄 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70293397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久保 潤 北九州工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助手 (90413872)
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Keywords | 結合耐性 / 自己組織化 / 無線通信 / 地理的空間 / 防災ネットワーク |
Research Abstract |
災害時の故障やテロなどによる悪意な攻撃に対して分断されにくい通信インフラの構築と、被害拡大を防御しながら応急処置が施せる効果的な対策法を探ることは重要な研究課題である。本研究では、無線やセンサシステム等におけるアドホック通信への応用を念頭に、情報通信の基盤技術となり得る自律分散的なネットワークの設計原理を、トポロジー特性や耐故障性の観点から以下を中心に検討した。 ・人口分布に相当する、地理的空間上の疎密なノード配置で自己組織的に成長するネットワークモデルを考え、長距離リンクの発生を抑える等の地理的制約による結合耐性の脆弱化を、全く同じ次数分布でランダムにリンク張り替えして制約をなくした場合との比較からシミュレーション分析で明らかにした。国際会議を含めた国際学術雑誌等3件、電子情報通信学会の招待講演2件に発表。 ・災害発生時の情報収集を、住民から各地区の自治体への情報提供と、自治体間の伝達連携として捉え、石川県加賀地区における庁舎や役場の位置、及び、地震災害のハザードマップに従った発生頻度を想定して、迅速かつ信頼性の高い収集ができる連携結合の仕方を探った。研究会で発表。 ・初期故障源からの迂回路で過負荷が次々と起こるカスケード故障の防御策として、初期故障源に結合していたノード間の応急処置的なリンク張り替えが効果的なことを明らかにした。地理的空間上のネットワークにおけるカスケード伝搬特性の分析にも着手した。研究会で発表。 これらの共通環境として、Javaのバージョンアップに伴うGUIの変更によって、これまで作成したプログラムにかなりの修正が必要となったことを契機に、入出力ファイル形式等のインターフェースを共通に定め、数値計算部分と描画関係部分を分けることにした。当初の予定には含まれてなかったが、分析ツールのプラットホーム化を整備する上で必要に応じて今後も継続的に実施する。
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