2007 Fiscal Year Annual Research Report
アドホック・パーソナルエリアネットワークにおける安全な通信方式の研究
Project/Area Number |
18500065
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
佐藤 文明 Toho University, 理学部, 教授 (40273164)
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Keywords | Peer to Peer / パーソナルエリアネットワーク / 評判システム / 信用度 |
Research Abstract |
ユビキタスネットワークのデバイス間通信方式として、アドホックネットワークが注目されている。アドホックネットワークは、無線をベースにした通信技術であるため、安全性について有線ネットワークよりも課題が多い。また、通信路の信頼性についても、有線ネットワークに比べて劣っている。 本研究の目的は、安全で信頼性のあるアドホックネットワーク通信技術を確立することにある。また、その技術はアプリケーションに適用することで真の有効性が判断できることになる。我々は、アドホック・パーソナルエリアネットワーク(PAN)上の情報流通制御に関する研究プロジェクトを立ち上げている。日常の生活において利用者が持つ携帯端末が「ロコミ」形式で情報の受信や伝播を行い、必要な情報を大量の情報から選択的に受信するものである。 今年度は、パーソナルエリアネットワークの参加者が、互いに相手の信頼度を評価する「評判システム」を応用したアドホックルーティングについての研究を行った。評判システムによって推定された相手の信用度は、情報を公開するレベルやパケットの配送経路の決定を行うなどの安全なシステム構築のための基盤となる。特に、昨年度我々は最尤推定と呼ばれる確率的な推定方法を使った既存の手法に対して、更に結託攻撃に対する耐性を持たせることに成功した。今年度の研究では、アドホックルーティングにおけるセルフィッシュノードの検出と、ノードに対してセルフィッシュな行動を抑制するための戦略について提案した。セルフィッシュノードの検出は、従来ルーティングパケットの転送の実施状況からのみ判断していたが、パケットロスの影響で誤検出が多かった。本研究では、セルフィッシュノードかどうかの判定を、ルーティングパケットの転送状況と評判情報を組み合わせることで、より正確な判定を可能とした。また、評判の高いノードにはインセンティブとして優先度を高めることと、セルフィッシュノードに対しては、通信帯域の制限を課すことで、セルフィッシュの行動を抑制することにした。いくつかの行動モデルを仮定したノードをもとに、上記の方法をシミュレーションし、従来方式に比べてルート発見率が高まることを示した。
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Research Products
(3 results)