2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚言語を用いた自然造形物のデジタルアーカイブ化に関する研究
Project/Area Number |
18500084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
原田 利宣 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80294304)
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Keywords | 曲線・曲面 / 視覚言語 / デジタルアーカイブ / 自然造形物 / デジタルコンテンツ / データマイニング |
Research Abstract |
本年度における研究では,すでになされている曲線(面)における視覚言語の抽出と体系化に関する研究をベースとして,自然造形物・工芸品の曲面がどのような視覚言語とその組み合わせでできているかを解明する技術を開発し,実際に自然造形物・工芸品の分析を行うことによってその曲面を構成する視覚言語を明らかにすることを目的とした。具体的には,まず,計測された自然造形物・工芸品の曲面のデータから曲率線(空間曲線)を算出するシステムを開発した。次に,その曲率線を2つの投影面に投影することにより,2本の平面曲線を取得し,その平面曲線を曲率単調曲線に分割した。さらに,それらの曲線の性質を曲率対数分布図で表し,その結果から曲率線を構成する視覚言語を同定した。ここで,従来研究にも自然造形物・工芸品の曲線がどのような視覚言語であるのかを同定した研究はあったが,その対象は断面やシルエットなどの平面曲線のみであり,分析対象における曲面の性質を抽出するものではなかった。本研究では曲面を構成する曲率線という空間曲線を対象とすることで,今まで性質の特定ができなかった曲面そのものの分析を可能にした。最後に,それらをデジタルコンテンツ制作や工業製品の曲面創成に再利用するため,デジタルアーカイブ化の糸口を探ることも目的とした。つまり,自然造形物・工芸品の"図面集"の制作についてのフィージビリティスタディと換言できる。ここで,研究対象を自然造形物や工芸品としたのは,工業製品はヒトが作ったものであり"図面"が存在するが,自然造形物や人が経験や勘で作る工芸品には"図面"が存在しないからである。また,これにより,自然造形物・工芸品の醸し出す特有の美しさの本質的要因を解明でき,コンテンツ制作のみならず,家電や自動車といった工業製品の形状デザインに自然造形物や工芸品の美しさを応用することもできると考えた。
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Research Products
(3 results)