Research Abstract |
本研究の目的は,従来,その利便性のみが議論されてきた公共空間におけるロケーションアウェアサービスを対象に,現在位置や移動履歴を望まない第三者から隠蔽する権利,すなわち,ロケーションプライバシの問題を取り上げ,その保護機構および位置匿名化アルゴリズムを示すとともに,実システム上での評価実験を通して,様々な条件下での,基本性能(運用性),安全性,ユーザビリティ,の各指標を示し,提案アルゴリズムの有効性を実証的に検証することにある. 研究計画2年目となる平成19年度は,前年度での問題を一般化し,「ユーザ,エリアともに特定困難なサービス」を対象とした場合の位置匿名化問題を扱った.具体的には,対象となるユーザ集合,エリア集合ともに特定が困難となるリスニングサービスをも支援対象として含むよう位置匿名化アルゴリズムの一般化を進めるとともに,実装に向けた詳細化の見直しを行い,アルゴリズムの定性的な検討を行った. 併せて,対象エリアを屋内から屋外へ拡張し,新たに屋外実験プラットフォームを構築,一般化された位置匿名化アルゴリズムを実験プラットフォーム上に実装,評価した.屋外では,屋内環境と異なり,GPS等によるポジショニング法による位置取得が中心となる.現実に,GPS付き携帯電話が位置情報を継続的に通知し続ける形態のサービスが出現し始めており,今後,一般化していくものと予想される.LOXYアーキテクチャを実験プラットフォーム上に実装し,GPSによるポジショニングの下,適当な条件の下で動作させ,データを収集,理論的な予測値との比較と併せて,実装されたアルゴリズムの詳細な性能を,基本性能(運用性),安全性,ユーザビリティの軸で評価した.
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