2006 Fiscal Year Annual Research Report
異分野コラボレーションのための相互理解・対話促進ツールの開発
Project/Area Number |
18500099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
喜多 千草 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (10362419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 亨 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (20252489)
吉野 孝 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (90274860)
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Keywords | グループウェア / コラボレーション / 思考支援 / 文理融合 |
Research Abstract |
この研究課題では、異分野コラボレーションのための相互理解・対話促進ツールの開発をめざしており、初年度は、数回の実験を行う予定であった。この第一回として、情報処理学会・電子情報通信学会・人工知能学会に所属するいくつかの研究会等が参加して行われた「情報社会のデザイン」シンポジウムのクロージング・セッション「『みんなの意見』は『崖っぷちの情報システム』を救うのか」を行った(2006年12月1日)。この結果、当初意図されたコラボレーション支援が行えず、トークがあまりかみ合わない状態となってしまった。 この反省をふまえて、年度内は、新しい実験を行うよりも、先行研究から抽出した概念的枠組みについて再検討することにした。具体的には、異分野コラボレーション例として、アカデミックな異分野間の対談の書き起こし資料の内容を分析することにより、会話の中で起こる「相互理解のきっかけとなる異なる概念枠の理解」=「異分野コラボレーションのAha体験」がどのように起こっているかを観察し、それを促進するために何が必要かを検討。さらに、コラボレーションの認知科学等の先行研究から、コラボレーションの効果や参加意欲についてのモデル化に関する考察を援用した場合、当該研究の措定してきたモデルはどう評価できるかなどの検討も行った上で、モデルの再構築を計ることとなった。これは19年度も継続して行う予定。 この間、システムデザイン担当の吉野は、当該研究が目指すシステム構築の基盤となる、異文化コラボレーションツールの開発に専念し、多言語利用のコミュニケーション支援実験を行った。この結果はいくつかの学会での成果公開につながっており、こうした成果を当該研究でのシステム構築に反映させていく予定。 18年度はモデル構築を進める段階であったが、実験結果から方向の修正は迫られたものの、検討は進行しているため、概ね履行できたのではないかと考える。
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