Research Abstract |
平成18年度は,主に以下の事柄について研究を行った. 1.手型の認識 本研究では,手型と腕の動きを別々に入力して,手話の検索を行うこと想定している.Webカメラを用いて手の形を入力し,それが手話のどの手型であるかを認識した.手話の手型には似たような形がある.これは辞書を使うユーザーが間違えやすいのもあるが,システムが区別しにくいといった両面の難点がある.本研究では,それらをグループ化することにした.辞書としては,似たような手話も検索の候補として挙げておき,最終的にはユーザーで絞ってもらうという方法をとることにした.グループ化した手型では,80%以上の認識率が得られた. 2.音素の分類 手話は,手型,腕の動き,位置などの音素と呼ばれる要素から成り立っている.それらの音素を分類し,データベースの作成を行った.特に手型について,利き手と非利き手の相関を調べたところ,これまで独立していたと思われていたが,一定の相関が見られることが分かった.これにより,辞書の検索は非利き手をキーワードとしなくても検索が容易に行われると考えられる.さらに形態素辞書の概念や記述についても研究を行った. 3.手話のコード割り当て 手話を辞書化するに当たり,手話のコード割り当てが必要になる.本研究では,日本のみならず,世界中で提案されている手話コードを包括的に記述できる方法について検討・提案をした(Universal Sign Code : USC).このコードは単語だけでなく,音素,形態素,さらには文章までもコード化することができる.したがって,これを用いれば,辞書内のデータベースだけでなく,様々な手話関連の製品に応用することができる.
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