2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500112
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有田 隆也 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40202759)
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Keywords | 心の理論 / 進化心理学 / 認知科学 / 遺伝的アルゴリズム / 人工生命 / ボールドウィン効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は,心の理論(他者や自己の心の状態,目的,信念,推測などを推測する心の機能)の創発に関する構成的手法を用いた進化的基盤の理解,及び,その成果を応用したシステム構築のための知見の獲得である.成果は以下の通りである. 1)シグナリングに基づく交渉とゲーム戦略決定という2段階から構成されるエージェントベースモデルを設計し,進化シミュレーションを行った.その結果,譲る合図を示すタイミングで調停する「収束型」と両者のシグナルの共振で調停する「振動型」という2つのコミュニケーションが創発することが示された. 2)心の理論の創発において利他性が必要条件となる可能性を考え,マルチレベル選択における集団構造が如何に継続しうるかを検討した.進化シミュレーションの結果,環境応答移住と進化メカニズムによって,少数の協力者からなるグループが生成され集団中に拡がる創始者効果が相乗的に働くことや,環境悪化に特異的に反応して移住することが協力者と非協力者のグループを分離し,協力進化を促進することが示された. 3)心の理論と密接に関連する進化と学習の相互作用を明らかにするために,形質の適応性とエピスタシスの影響に相関が存在する多峰性の適応度地形を用い,表現型可塑性の進化に関する計算機実験を行った.その結果,ボールドウィン効果が繰り返し生じ,集団は進化のみの場合と比較してより高い適応度を獲得することが示された. 4)プロトタイプを構築している具現化進化型ロボット実験システムに対して,コントローラとの共進化系としての先行評価系を導入して心の原初的段階を検討した.プロトタイプの評価実験の結果,先行評価系による実評価個体の選別により低レベル個体の適応度評価を抑制し安定したロボット行動を実現することや,先行評価系も実環境へ適応するように進化していることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)