Research Abstract |
本年度は以下の点について,研究を行った. 1.コーパスベースの発話意図推定 まず,発話意図付き対話コーパス中の発話を事例とし,入力発話との類似度を測定することで,入力発話の発話意図を推定する手法について実験・考察した.類似度測定の手法として,内積,コサイン,Dice係数,Jaccard係数など用い,関連研究と比較し,有効性を検証した.さらに,最大エントロピー法(ME法)に基づき確率モデルを構築し,その確立モデルを利用して入力発話の発話意図を推定した.また,コーパス作成マニュアルを精緻化することで,異なるアノテーターによるタグ付け結果の一致率が高く,信頼性の高いコーパスを構築した. 2.USBカメラを用いたジェスチャ認識 USBカメラを用いた指示方向の認識手法と頭部ジェスチャ認識手法について提案し,実装した.指示方向認識では,画面中の肌色領域の有無を素性とし,C4.5を用いて決定木を作成し,シンプルな手法にもかかわらず80%強の精度を得た,頭部ジェスチャ認識については顔領域や目領域などの有無各パーツのオプティカルフローを素性とし,指示方向認識と同様にC4.5で学習し,「肯定」や「否定」など頭部ジェスチャの認識手法を実装し,考察した. 3.属性名らしさを利用した表データの獲得 マルチメディアコーパス作成の一環として,表データに着目し,Web上から表データを自動収集する手法を提案した.表中の属性名らしさを確率で表現し,その値を利用することで,表の抽出および構造認識する手法を実装し,関連研究と比較した. 4.確率モデルによるグラフ主導の対話的インタフェースの構築 製品の選択タスクにおいて,グラフを入力モダリティとして用いた対話型インタフェースを構築した.グラフ間の遷移確率やクリックした箇所によるユーザの意図推定を行い,最適なグラフを提示していくことで,対話的に目的の製品まで辿り着くことができるシステムを構築し,アンケートによって主観評価し,有効性を確認した.
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