2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500138
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢向 高弘 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20286652)
|
Keywords | マルチモーダルインタフェース / ネットワーク / 遠隔操作 |
Research Abstract |
今年度は、触覚伝送処理装置と視聴覚伝送処理装置とを構築し、基礎的な実験を行った。 触覚伝送処理装置については、滑らかな触覚を実現するために、摩擦抵抗が少なく均質な出力が得られるモータにギアなどを介さずに直接作業させる構造とし、また繊細な力覚情報を高い周期で取得するために高解像度のエンコーダを用いて、1自由度のアクチュエータ2体1対を構築した。 視聴覚伝送処理装置についても2体1対を構築した。画像の符号化・復号化にかかる処理時間を短縮するため、64bit命令に対応する高性能プロセッサを利用し、1000fpsのフレームレートでカラー画像を取得可能なビデオカメラとマイクとを設置し、画像はフレームグラバーボードを介して、音声はオーディオインタフェースを介して、コンピュータへ取得可能とした。操作側には高いリフレッシュレートで応答速度の速いモニタと、密閉型のヘッドホンとを設置し、画像は高性能のグラフィックボードを介して、音声はオーディオインタフェースを介して提示できるようにした。 以上の実験装置を構成し、提示遅延時間を設定可能な感覚伝送ソフトウェアをコーディングすることにより、各々の感覚の再生遅延時間を変化させることに成功した。この感覚遅延伝送装置を用いることにより、同じ遠隔操作を様々な条件下で実施可能となった。 実験装置の有効性を検証するために感性評価を行った。今年度は直線状のレール上を回転しながら移動できる転動体をレールの傾斜角を操作することでレール上の所望の位置へと移動させる作業を操作の題材として実施した。あまり多くの実験結果は得られなかったが、人間が視覚情報に強く依存して作業していること、視覚情報の再生遅延時間が300msを超えると操作性が悪化すること、聴覚や触覚が視覚よりも早く提示されることにより操作性が向上すること、今回設定した作業は聴覚または触覚のみの提示では遂行が困難であったこと、などが明らかになった。
|