2006 Fiscal Year Annual Research Report
呼気情報のセンシングとインタフェース応用に関する研究
Project/Area Number |
18500142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高橋 和彦 同志社大学, 工学部, 助教授 (90332808)
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Keywords | 呼気 / センシング / インタフェース / 感情 / 学習機械 |
Research Abstract |
本年度は,呼気情報インタフェースを構成するための基礎データを収集する計測システムの構築と,その基本性能に関する検討を行った. (1)計測システム 乾燥空気中で様々なガスをppbレベルで検出可能な重量検知型の水晶振動子(QCR)式ガスセンサを使用し,室内空間に存在する揮発性有機化学物質が室内大気室に及ぼす影響を計測するシステムの構成を参考に呼気ガス計測システムを設計した.振周波数9MHzの温度依存性の小さいATカットQCRの両面に感応膜として高周波スパッタリング法によりプラズマ有機薄膜を堆積させたものをトランスデューサとし,このQCRセンサを発振用回路と周波数変化計測用回路,マルチポートインタフェースを持つ集積回路ボード上に8個アレイ状に装着することで呼気ガスセンサモジュールを構成した.呼気ガスの測定系は,被験者が呼気を吹き込むサンプルラインと,大気をベースガスとして取り込むリファレンスラインの2つのガスラインで構成されており,ガスラインの流量は流量調整器によって制御される構成とした. (2)呼気計測実験 設計した計測システムを用いて,健常な被験者により呼気ガスを導入した時の各センサの応答について検討した.呼気が導入されるといずれのセンサも一旦周波数変化量が減少して極小値を取った後,増加に転じてベースライン付近に漸近する応答を示す傾向が観測された.センサの応答波形形状は呼気の吹き込みの強さに依存せず,極小値のピークが吹き込みの強さに依存することも確認された.極性ガスに感度の高いセンサ群のピークが大きく,これは呼気ガス中の水蒸気成分に反応していることが示されることから,設計した測定システムにおいてガスライン中の除湿が必要であることを示唆している.一方,疎水性のガスに感度が高いセンサ群の応答を分析することで呼気ガス成分の性質について分析・判別できる可能性があることも示された.
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Research Products
(2 results)