2006 Fiscal Year Annual Research Report
SOMを用いたネゴシエーション支援システムの開発と感性商品購入支援の実用化
Project/Area Number |
18500165
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
亀井 且有 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20161234)
|
Keywords | 自己組織化マップ / 集団的意思決定支援システム / ファジィデータ処理 / 感性評価 / 可視化技法 |
Research Abstract |
感性工学では,感性評価は一般的にはイメージ形容詞を用いることが多い。この形容詞は人間特有の言語にもとづくあいまいさを含んでおり,従来のSOMでは扱うことができない。そこで,入力データとしてファジィデータを扱うことができるSOMを開発した。 従来SOMのマップ作成手順における重み学習では,近傍領域はあらかじめ一定値に設定され,近傍領域内のノード(近傍ノード)の重みベクトルは入力ベクトルに近似するように更新される。この場合,入力ベクトルがあいまいさを有しないクリスプ値であることが重み学習における条件となる。しかしながら,本研究で扱うあいまいデータ入力はメンバーシップ関数(MF)で与えられるため,従来SOMでは近傍領域の学習が行うことができない。そこで,次のようなSOMを開発した。 マップ作成手順は従来SOMと同じであるが,あいまいさを含む入力ベクトルのMFより算出される近傍領域ベクトルを導入し,近傍ノードの重みベクトルは近傍領域ベクトルの要素毎(次元毎)に入力ベクトルに近似するよう学習する。これは勝者ノードの近傍領域が入力ベクトルのあいまいさにもとづいて変化しながら重みベクトルの学習が進むことを意味している。開発したSOMを用いて街並みの感性評価可視化問題に適用した結果,マップの表現方法に問題はあるものの,ある程度満足のいく結果を得ることができた。 一方,ネゴシエーション支援システムの対象となる乗用車の感性評価実験をWeb上で実施するシステムを構築した。感性を表現するイメージ形容詞は予備実験とその結果の統計的処理により26形容詞対とした。また,乗用車は市販されているものの中から購入価格200万円程度の28車種を決定した。被験者は20歳代,30歳代,40歳代,50歳代,60歳以上の計5世代,男性・女性ともに各世代20名とし,合計200名の乗用車に対する感性評価結果を得た。
|