2007 Fiscal Year Annual Research Report
SOMを用いたネゴシエーション支援システムの開発と感性商品購入支援の実用化
Project/Area Number |
18500165
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
亀井 且有 Ritsumeikan University, 情報理工学部, 教授 (20161234)
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Keywords | 自己組織化マップ / 集団的意思決定支援システム / ファジィデータ処理 / 感性評価 / 可視化技法 |
Research Abstract |
グループあるいはチームで複数代替案の中から合意案を決定する場合において,各メンバーの感性や嗜好が異なるため,合意案決定に困難が生じるあるいは多大な時間を要することがある。本研究では,このようなグループ意思決定問題に対して,各メンバーに適切な妥協案を提示しながらインタラクティブに合意案を探索するグループ意思決定支援システム(GDSS)を構築した。 本システムは「感性商品データベース」「ネゴシエーションシステム」「自己組織化マップ(SOM)」から構成される。感性商品データベースは商品の感性を表現するのに適した形容詞を因子分析により適当数決定し,市販されている商品に対してSD法を用いてその商品の平均的な感性評価値を得て,データベース化する。ネゴシエーションシステムは,グループメンバーの理想とする商品の感性評価値にもとづいて各メンバーに対して適切な5選択肢を有する5感性妥協案を提示する。感性妥協案の選択結果よりメンバーの理想とする商品の感性評価値は再計算される。SOMには更新されたメンバーの感性評価値と感性データベースに格納された市販商品の感性評価値が入力され,それぞれの商品を配置されたマップが出力される。この出力マップより,各メンバーの理想商品がお互いに隣接して配置されれば,ネゴシエーションは終了し,理想商品に最も近い市販商品が最終的な代替案となる。もしメンバーの理想商品が隣接しなければ,再びネゴシエーションシステムシステムが稼働し,各メンバーに妥協案を提示する。 本システムの応用例として,自動車購入のためのGDSSを構築した。12形容詞を用いて自動車の感性評価を行い,1グループ4名で各10グループが28台の市販自動車から1台を決定した。その結果,4人の理想自動車の感性評価値を単純平均して求めた市販車の満足度より本システムを利用して決定した市販車の満足度の方が高い値を示した。これより,本システムの有用性が明らかとなった。
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