2006 Fiscal Year Annual Research Report
学習・適応機能による秩序形成の解明とその機械システム制御への応用
Project/Area Number |
18500180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
井上 紘一 大阪産業大学, 工学研究科, 客員教授 (70026079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 弘明 京都大学, 工学研究科, 講師 (50283635)
大橋 美奈子 大阪産業大学, 工学部, 講師 (30319579)
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Keywords | 複雑系 / 学習・適応 / 秩序形成 / 制御系設計 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究では不確かさなどを含む複雑なシステムに対して競合・協調を考慮した学習や最適化などにより有益な機能を実現するための制御システム設計に関する研究を行った.平成18年度は不確かさを考慮した学習・最適化によるシステム設計とそれによる秩序形成に関して研究を進めた.特にニューラルネットワークの学習により,確定的あるいは確率的な不確かさに対するロバスト制御系を構築する手法について数値計算を用いて研究を進め,これらの学習法により得られた制御系の制御性能とロバスト性の定量的指標の間にべき乗則という秩序が形成されることを確認した.このようなシンプルな秩序形成は,自然界や生体によく見られる特徴である.数値計算に用いた学習によるロバスト制御系設計方法は多目的最適化問題へと変換できる.このことから環境などの不確かさとの競合学習によるロバスト性の確保とこのための多目的最適化によるパレート最適解の形成が自然界によく見られる秩序の形成の一因と考えられることを示した.また,複数モジュールの協調的適応によるタスク分解とそれによる秩序形成についても検討を行い,適用的にタスク分解を行うことができる適応型複数モジュールの強化学習アルゴリズムを提案し,その有効性を確認した.数値計算だけでなく,無人ヘリコプタの飛行制御実験に提案手法を適用し,高度制御において適応的に複数モジュールが自律的にタスク分解を行い,全体として簡単な秩序を形成することを確認した.
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