Research Abstract |
近年,多くの分野で画像や映像をデジタルデータとして扱うことが一般化され,画像の計算機への取り込みや加工が容易に実現されるようになった.画像に対する加工の典型例として,画像の拡大,縮小,回転等の幾何学的変換がある.なかでも,低解像度画像を高詳細化する拡大処理は,テレビ(ディスプレイ)の高解像度化や印刷技術の向上に伴い,非常に重要な技術となっている. 本研究では,任意画像を任意倍率で,かつ実時間処理で高画質な拡大画像を得ることが可能な画像拡大方法の開発が目的である.具体的には,画像の自己相似性に着目し,自己縮小画像コードブックとベクトル化ファジィ推論を応用した新たな画像拡大手法を構築し,処理速度,画品質等の性能を定量的に評価し,その実応用性を明らかにすることを試みる. 平成18年度は,まず,既存の画像拡大方法に関する国内外の研究動向を調査し,自己縮小画像を用いた画像拡大用コードブックの作成処理とコードブックを利用したモノクロ画像拡大処理アルゴリズム開発を行った.その後,高速画像拡大処理法を検討し,画像拡大法の評価を行った.また,研究開発の途中段階で,汎化性に富む非線形写像アルゴリズムとして,近年,注目されているサポートベクターマシン(SVM)を用いて低解像度の画像成分から高解像度の画像成分を写像することにより,より高性能なディジタル画像拡大手法を得ることが出来ることがわかり,それをソフトウェア実装した.この研究に関しては,2007年3月21日から23日まで香港で開催されたIMECS2007(国際会議)において発表論文として公表した.尚,SVMに関する技術については,九州工業大学工学部助手の河野英昭氏からの助言によるものである.
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