2007 Fiscal Year Annual Research Report
認知心理学的手法を用いたワールドワイドウェブ情報探索方略の研究
Project/Area Number |
18500199
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 ひろみ University of Tsukuba, 大学院・図書館情報メディア研究科, 講師 (00359580)
|
Keywords | 認知科学 / IT / ワールドワイドウェブ / 情報探索 / 注意 / 変化検出 |
Research Abstract |
ネットワーク社会と言われる現代社会において、インターネット上の情報をどこまで有効かつ効率的に利用できるかという能力は個人の能力として非常に重要である。そこで、このような能力を育てるための教育法を確立することを研究全体の最終的な目標とし、その下位目標として、本研究では、効率の良い情報探索方略に関する知見を得ることを目的とした。 18年度は、Webページ上で情報探索をする際にユーザがどこに注意を向けるかについて、変化の見落とし現象を利用して調べた。その結果、ユーザがサイトのトップページを見るとき、最初にサイトID、セクションに注目し、続いてメインコンテンツ、ユーティリティ、最後にサブコンテンツに注目する傾向、すなわちナビゲーションに関わる要素から注意を向ける傾向が明らかになった。また、ユーザが同一サイトを繰り返し情報探索する中で、サイト構造を学習し、その結果として情報探索効率が上がることが示唆された。 これらの結果をもとに、19年度は、ユーザがどのような方略でサイトを閲覧するとサイト構造の学習を通して探索効率の上昇につながるかを明らかにするため、実験参加者に同一サイトを一定時間閲覧してもらい、サイト内のページのリンク構造をどの程度学習するかを調べた。その結果、情報探索を目的として閲覧を行った実験参加者が、意図的にリンク構造を学習しようとした実験参加者と同程度に閲覧ページのリンク構造を記憶していることが明らかになった。また、リンク構造を多く記憶していた者ほど事後探索の成績も良いという傾向が見られた。 以上の結果から、同一サイト内で繰り返し情報探索することが考えられる場合、サイト内検索等を使わずリンクをたどって探索することが最終的には効率の良い探索につながる可能性が示唆される。
|
Research Products
(2 results)