2006 Fiscal Year Annual Research Report
対ロボットコミュニケーションにおける感情や態度およびその文化的影響の測定
Project/Area Number |
18500207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
野村 竜也 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30330343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 崇行 国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (90374107)
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Keywords | 情報学 / 認知科学 / 社会認知科学 / ロボット |
Research Abstract |
今年度の本研究では、ロボットに関する人の意見・態度およびロボットとの対面場面において喚起される不安感情を測定し、人の対ロボット行動との関連を検証するために、既に開発済みの「ロボット否定的態度尺度(NARS)」に加え、「ロボット不安尺度(RAS)」の開発を行い、その妥当性の検証を行った。また、これらの心理尺度を用いた社会調査および心理実験を行った。 まず、RASが十分な内的整合性・妥当性を持つことが、予備調査および本調査によって確認された。また、この調査によって、対ロボット不安における性差の存在が示唆された。さらに、心理実験によって、RASおよびNARSによって測定される対ロボット不安・態度と対ロボットコミュニケーション回避行動との間に関連が認められ、RASおよびN駅Sが予測妥当性を持つことが確認された。一方、NARSを用いた社会調査においては、どのようなタイプのロボットやタスクを想定するかによって、ロボットに対する否定的態度が異なることが認められた。 上記の調査結果を受け、ロボットに対する感情や意見以前に、ロボットと聞いた時に人がどのようなものを想定するかについて文化比較調査を行った。結果として、自律性などの属性の度合い、ロボットが実行するタスク、抽象的イメージに関して、ロボットのタイプおよび国によって想定度合いに差が存在することが認められた。 さらに、ロボットの応用の一形態としてのロボットセラピーについて、その研究の現状と問題点に関する心理学的・社会学的考察を行い、ロボットセラピーの可能性と危険性について検討を行った。 次年度においては、ロボットに関する想定と対ロボット態度・感情との関連に関して、さらなる国際比較調査を実施する予定である。また、対ロボット感情と行動との関連についても、新たな実験を実施する予定である。
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