2006 Fiscal Year Annual Research Report
物体の重さ知覚および持ち上げ運動における視覚情報の役割
Project/Area Number |
18500209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
川合 悟 帝塚山大学, 心理福祉学部, 教授 (90177634)
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Keywords | 重さ知覚 / 把握持ち上げ運動 / 視覚 / バーチャル・リアリティ / 視覚-運動系 |
Research Abstract |
物体の持ち上げおよび重さ知覚における視覚情報の役割を解明し、人間が物体のどのような情報を内部モデルとして蓄え、持ち上げる力発揮運動プログラムに変換しているのか、すなわち、視覚-運動系機構の解明が本研究の最終的な目的である。そのためには、視覚情報だけを厳密に統制し他の物理的情報(物体重量、密度、トルク、触覚情報など)を固定することが最重要である。 18年度は、視覚から得られる情報が厳密に統制できる実験環境を構築した。実験環境の基本的枠組みは、MacKenzie教授(Simon Fraser University、Canada)が開発したVirtual Hand Laboratoryをベースにした。すなわち被験者が操作しようとする物体の視覚情報はコンピュータが作りだすグラフィックイメージで提供し、手先から得られる物理的情報は実際の物体から提供されるAugmented環境(Virtual Object Laboratory Systemと呼ぶ)を構築した。実験環境の大きさは、横600mm×奥行き600mm×高さ1200mmでフレームはアルミ製である。北村義文助教授(大阪大学大学院情報科学研究科、マルチメディア工学専攻)の研究協力により、以下の工夫がなされた。すなわち、(1)位置検出に超音波や磁気装置を用い、精度を落とさず、より安価な装置を配備した。(2)映像投射用のハーフミラーは前後に200mm可動でき自由度を拡大した。(3)ディスプレイの方式も上部から水平投射ではなく45度の傾斜角度を用いた。(4)ハーフミラー下のワークスペース(横500×奥行き450×高さ280mm)に取り付けられたアルミ製の梁(25×25×504)により、ワークスペースのどの部位にも物理的情報を提供する操作物体を3次元的に設定することができる。現在、どの程度の立体感やリアリティが得られるか主観的評価データを収集分析している。
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