2006 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル拡散通信における統計的同期法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
18500216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
江島 伸興 大分大学, 医学部, 教授 (20203630)
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Keywords | スペクトル拡散通信 / 信号処理 / 同期法 / 計数法 / 複雑性 / 最尤法 / 相関器受信 / 信号パワー |
Research Abstract |
本研究の目的はスペクトル拡散通信での送信と受信の間に生じる遅延時間の推定に統計学を応用し、搬送波位相、信号パワーの推定とその制御へと研究を進展させることである。コード長(拡散比)Nの複数ユーザー信号の和は、中心極限定理により受信信号の正規性が誘導され、同期点探索はこの性質を持つ時系列データに基づく遅延時間推定の問題として捉えられ、本研究ではリアルタイムに送られてくるデータによる統計的同期点探索法の研究を展開してきた。基本的な同期点探索法は最尤推定法に基づき、同期判定成功確率の下限を指定することにより停止規則を設定した。発表の論文(Eshima & Kohda,2006,IMA Journal of Mathematical Control and Information,23,149-163)で提唱した方法は受信装置としての実行が容易であり、従来の方法に比べて判定までの時間を短縮し、かつ同期判定の確度を制御できる利点をもつ。本研究の同期点探索法は、N個のコードチップに対する受信出力が設定の閾値を越える場合の回数による判定法で、計数法(counting method)と命名した。計算上の複雑性は回路としての実行に関係し、計数法は計数データ(整数値)を用いるので、計算上の複雑性の軽減を実現している。この方法を用いると、5dBの環境において平均約7データ時間で高精度の同期判定ができる。原受信信号(実数値)を用いた場合に対する効率は約0.6である。この研究を基礎にして、遠近環境下での同期法の研究を展開中である。
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Research Products
(1 results)