2008 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル拡散通信における統計的同期法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
18500216
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
江島 伸興 Oita University, 医学部, 教授 (20203630)
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Keywords | コード取得 / スペクトル拡散信号 / 最尤推定法 / 符号化 / 通信容量 / 同期判定効率 / 相関器 / 計数法 |
Research Abstract |
スペクトル拡散通信(Direct-Sequence Spread-Spectrum(DS/SS)Communication System)は複数の利用者が同一の周波数を用いて同時通信ができ、かつ外部雑音に対する耐性がある点が特徴である。DS/SS通信では、1ビットのデータをコード(Nビット)で拡散させて送信するために、コードの先頭に同期させることが必要になる。同期法は、(i)コード取得(code acquisition)と(ii)追跡または同期保持(tracking)の2つの段階がある。利用者コード{X_i}はベルヌイ試行を用いて生成される。こごに、系列{X_i}は-1または+1を取る。いま、コードを(X_0, X_1,...,X_<N-1>)とするとき、データd∈{-1,+1}は(dX_0, dX_1,...,dX_<N-1>)のようにN(拡散因子)ビットに拡散され、通信が行われる。その復号は内積を用いて行うが、同期が取れない場合は、内積は小さくなり受信ができない。通常のコード取得法は系列探索法(serial-search method)であり、受信した信号の強さを事前に設定した閾値と比較し、その閾値を越える信号が得られれば、そのタイミングでコード取得の判定をする(Sage,1964,Elhakeem, et al.1980;Polydoros&Weber,1984A, B; Madhow&Pursley,1993etc)。この方法はより精度高い同期判定のために、探索段階(detection stage)と検証段階(verification stage)をもつ同期法に改良された(Madhow&Pursley,1995)。従来のコード取得法は得られた情報を完全に用いる方法でなく、また判定の誤りを制御できない、すなわち事前に設定した確率以下にすることができない。本研究では統計学的な観点からコード取得に対する複雑性の低い有効な方法を提唱した。
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Research Products
(3 results)