2007 Fiscal Year Annual Research Report
モンテカルロフィルタを用いた金融時系列における潜在要因の推定
Project/Area Number |
18500222
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
佐藤 整尚 The Institute of Statistical Mathematics, データ科学研究系, 准教授 (60280525)
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Keywords | 時系列解析 / 金融データ / ボラティリティ / 状態空間モデル / モンテカルロフィルタ / 非対称性 / 計算機統計学 / 計量ファイナンス |
Research Abstract |
平成19年度は金融データのボラティリティのモデル化とその実証分析を中心に研究を行った。ボラティリティはデータの背後に隠れているばらつき具合を表す潜在的な要因で、金融の実務ではリスク管理等に広く用いられているが、直接、観測できる指標ではなく統計学的な分析が必要不可欠な対象の1つである。金融データのボラティリティについてはこれまでもいろいろな研究がなされているが、この研究ではGARCHモデルをベースにして、ジャンプ構造を取り入れたモデルについて研究した。具体的にはボラティリティの背後には通常の変動を表す部分とジャンプ的な動きから導き出される部分があると考える。そのジャンプ構造においてジャンプしやすさをあらわすインテンシティを比較的平易なモデルによって記述して、これが時間とともに変動するようなモデルを提案した。これまでもジャンプを含むようなモデリングは提案されてきたが、このような形で時変的なインテンシティをモデル化するような研究は少なかった。さらに、個別の金融データに応じて、どのようにインテンシティが変化するかについて、個々の動きの特徴を捉えるような項を加えるようして、より幅広い構造を捉えることに成功した。また、この年度の研究では上下のジャンプ構造の非対称性にも着目して、これと、従来提案されてきた非線形時系列モデルとの融合を試みた。その結果、ジャンプ構造を取り入れることによって従来のモデルでは検出されないような非対称性が検出できるようになった。これらの結果をまとめ、いくつかの学会で発表した。さらにモンテカルロフィルタの応用が期待される季節調整、マクロ経済分析についても研究活動を行った。
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Research Products
(5 results)