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2008 Fiscal Year Annual Research Report

生体超分子系の精密シミュレーションに向けての高速多重極・反作用場計算の開発と評価

Research Project

Project/Area Number 18500226
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

網崎 孝志  Tottori University, 医学部, 教授 (20231996)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤原 伸一  鳥取大学, 医学部, 助教 (00362880)
Keywords分子動力学計算 / 生体超分子系 / 周期境界条件 / 高速多重極法
Research Abstract

タンパク質など生体分子系の分子動力学計算においては、静電相互作用を精密に取り扱うことが最重要であり、また、その計算をどこまで高速化できるかで扱える時間スケールが定まる。このとき、数値精度だけでなく、境界条件の影響を軽減することを通して、シミュレーションの信頼性を高めることも必要である。周期境界条件に起因するアーチファクトは、等方性の少ない複雑な生体超分子系では深刻となるおそれがある。本研究では当初、周期境界高速多重極法(周期FMM)に反作用場法を組み合わせた手法の開発を目指した。すなわち、Ewald法における格子和エミュレート型反作用場法に類似の方法をFMMに対して開発する予定であった。しかしながら、詳細な検討を行った結果、周期境界条件の影響の軽減という観点からは、遠方領域に平均化した多重極を用いる周期FMMが最も有効であろうという考えに至った。この手法は、等方性周期和(IPS)法にヒントを得て着想したものであるが、非当方的である生体超分子系に不向きなIPSとは異なり、Ewald法やFMMと同様に、中距離領域の相互作用を物理的に正しく計算する。また、Ewald法系列の手法や最近注目されている多重グリッド法は、いずれも、三次元の無限の繰り返しに起因するアーチファクトを除去できないが、今年度、開発した平均化した多重極を用いる手法では、これを完全に除去できる。「平均化した多重極」には様々な選択肢が考えられるが、本研究では、まず、手がかりとして、FMMの葉セルの多重極の算術平均を用いる手法を検討した。現在、数値実験による性能検証を行っているが、エネルギーや密度の保存・再現状況に問題はみられない。今後、蛋白質の構造やゆらぎについて、Ewald系の手法との比較結果を成果にまとめる予定である。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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