2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の二面角系弾性ネットワークモデルによる基準振動解析
Project/Area Number |
18500227
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
輪湖 博 Waseda University, 社会科学総合学術院, 教授 (60158607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿渡 茂 北里大学, 理学部, 准教授 (00265729)
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Keywords | タンパク質のダイナミクス / 基準振動解析 / 弾性ネットワークモデル / 分子構造表現 / データベース |
Research Abstract |
タンパク質立体構造の動的特性を理解する上で、基準振動解析は有力な計算手法の一つである。われわれは、二面角を独立変数として、ECEPPのエネルギー・パラメータを利用した全原子モデルでの基準振動解析を行い、その結果をWeb上にProModeという名で公開してきた。しかし、その計算過程のほとんどが立体構造エネルギーの最小化に費やされるため、大きなタンパク質の計算が困難であり、また、ECEPPにはアミノ酸以外の分子のエネルギー・パラメータがないことから、リガンドやDNAなどを含んだ系についての計算ができないなどの問題があった。そこで、エネルギー関数の精度はある程度犠牲にしながらも、できるだけ多くのPDBデータに対応できるように、弾性ネットワークモデルでの基準振動解析計算を行うプログラムを開発するのが本研究の目的である。すでに、各アミノ酸残基をCα原子で代表させ、デカルト座標系で行う計算は一般化しているが、本研究では、PDBに現れるすべての原子(ただし、水素原子は除く)を考慮し、二面角を独立変数とするプログラムを開発している。二面角を独立変数とするとき、分子は、回転可能な化学結合をedgeとし、隣り合うedge間の部分構造をvertexするツリー状グラフで表現する必要あるが、PDBデータから自動的に分子のツリー構造を解析、グラフ表現するアルゴリズムを昨年度開発した。そこで本年度は、それを入力データとして、弾性体近似の基準振動解析計算を行うプログラムを開発した。原子間を単純なバネで近似するが、原子間の距離への依存性、1-4、1-5相互作用による区別等、試行錯誤しながら、パラメータの調整を行った。リガンドやDNAを含むいくつかのPDBデータについて計算を行ったが、十分満足のいく結果はまだ得られていない。この点については、来年度さらに検討する予定である。
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Research Products
(6 results)