2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算化学と官能評価によるヒトが感じる匂い情報の解析
Project/Area Number |
18500232
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
吉井 文子 Kisarazu National College of Technology, 基礎学系, 准教授 (80413748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 恵一 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (90369942)
鷹野 景子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (00143701)
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Keywords | 匂い分子 / 計算化学 / 官能評価 / 混合臭 |
Research Abstract |
1 匂い物質・分子の化学的特徴データの収集と計算 日本で香料添加物として使用される89物質を対象に、ソフトウェア・ChemOffice2006を利用し分子構造を構築し、ソフトウェア・Conflexを利用し真空および水中の条件下で配座異性体解析を行い終了した。これらの分子についてソフトウェア・Gaussian03Wを利用した非経験的分子軌道法による計算を開始し、現在も継続中である。計算から得られた分子の構造と静電的特徴を比較するために、分子類似度の数値化について検討を続けている。対象分子に関する物性データ(蒸気圧など)の推算および実測値の収集については、可能な範囲で終了した。得られたデータはデータベースの形式に順次入力を行っている途中である。 平成20年度も上記を継続し、匂い分子に関する利用価値のある情報を集積することで、本研究の目的のひとつである、嗅覚研究に用いる匂い物質選択の指標の提供、に貢献できると考える。 2 複合臭の官能評価法の検討 簡易的な市販芳香器を利用して混合臭を調製し、ヒトに評価してもらうために、試験に用いる匂い物質の強度決定法、提示法、評価法を検討した。今後、早急に最終的な方法を決定し、被験者を用いた混合臭の官能検査を行う予定である。これは、本研究の目的のひとつである、混合臭の研究についての足がかりを作ること、に貢献できると考える。 上記1,2の研究結果は、匂い分子およびヒトの嗅覚に関する情報を提供し、本研究の目的のひとつである、匂い受容機構の初期段階や脳における匂いの認知機構解明、に寄与することが期待できる。
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