2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌細胞のコレステロール輸送を基盤とした神経様小胞と分泌顆粒の形成機構
Project/Area Number |
18500235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
穂坂 正博 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (80311603)
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Keywords | 神経内分泌細胞 / 分泌顆粒 / 神経様小胞 / 脂質組成 / コレステロール / pHプローブ |
Research Abstract |
本研究では神経内分泌細胞の『分泌顆粒膜、神経様小胞膜に特定濃度のコレステロールが貯留されるメカニズム』と『分泌顆粒と神経様小胞の構成タンパク質解析』について検討し、コレステロール組成に基づいて神経様小胞と分泌顆粒の形成機序に明らかにすることを目的としている。平成18年度は分泌顆粒と神経様小胞のプローブによる可視化と、顆粒タンパク質p23について解析した。 本研究では3つの神経内分泌細胞株、AtT-20(マウス下垂体由来)、PC12(ラット副腎髄質由来)、MIN6(マウス膵β細胞由来)から神経様小胞と分泌顆粒を精製し、コレステロール組成を調べた。その結果、神経様小胞膜にはコレステロールは20-25 mol%含まれるのに対して、分泌顆粒膜は45-55 mol%という高いコレステロール組成を示すことが判明した。また分泌顆粒と神経様小胞を可視化するため、pHプローブacridine orange(AO)とDAMPを用いて神経内分泌細胞を観察したところ、AOとDAMPは生体膜のコレステロール組成依存的に異なるオルガネラに取込まれることが分かった。っまり、同じpHプローブでも、AOはコレステロール組成20-25 mol%の膜を持つ神経様小胞に取り込まれ、DAMPはコレステロール組成45-55 mol%の膜を持つ分泌顆粒に取り込まれることを示した。 更に本研究では、顆粒膜をMN6細胞から精製し、マススペクル法により顆粒膜に存在しているタンパク質群を調べ、トランスゴルジネットワークから顆粒出芽を先導すると考えられるタンパク質p23について解析した。p23は、膜一回貫通型のタンパク質で、ER-ゴルジ間の輸送でクラスリン非コート小胞の形成基盤となるタンパク質として同定された。本研究では、生化学的、形態学的解析により、p23が分泌顆粒に集積することを示した。
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