2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける運動抑制の脳内機構の研究ー脳磁図計測と磁気刺激法の統合
Project/Area Number |
18500239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
美馬 達哉 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10231490)
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Keywords | 経頭蓋的磁気刺激 / 運動抑制 / 脳磁図 |
Research Abstract |
特定の行為を実行し、目的を達成するためには、運動のタイミングや大きさを正確に統御することが必要である。とくに、遂行中あるいは準備中の運動を、途中で変更したり、中止するという判断がとっさに必要とされるような場面も日常生活には多い。状況の変化に対応して素早く運動抑制するという能力は、生体の運動統御の基本的機能のひとつと考えられる。本研究課題では、運動抑制の脳内メカニズムを解明することを目標としている。stop signal課題は運動抑制を評価するパラダイムのひとつである。stop signal課題はADHD,パーキンソン病、前頭葉障害などで異常を示し、ドパミン系や前頭前野機能を反映するとされる。stop signal課題においてはなかでも右前頭前野の優位性が指摘されているが、詳細は明らかではない。研究計画の第一年目である本年度は、本課題遂行中の前頭前野機能の側方性をfMRIで検討した。健常者9名を対象とし、stop signal課題中の脳活動をfMRIで評価した。Go課題(全体の75%)ではスクリーン上のgo刺激に反応して、左か右の手でボタンを押す。Stop課題(全体の25%)ではgo刺激後に提示されるstop刺激に反応して、ボタンを押す動作を止めるよう教示した。解析にはSPM5を用い、stop課題のときとgo課題を比較した。前頭前野の賦活部は左右上肢ともに右前頭前野が優位であった。また左右前頭前野の賦活部位を個々人で検討したところ、stop課題に成功したときとgo課題を比較すると、%signal changeは右前頭前野のほうが大きかった。これは、運動抑制に関わる前頭前野機能が右優位であることを示唆する。研究計画当初は脳磁図によって検討する予定であったが、空間分解能の良いfMRIでの検討を行い良好な研究結果を得ている。来年度以降も、脳磁図への展開を含めて検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The role of left and right intraparietal sulcus in the attentional blink : a transcranial magnetic stimulation study.2007
Author(s)
Kihara, K., Hirose, N., Mima, T., Abe, M., Fukuyama, H., Osaka, N.
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Journal Title
Exp. Brain. Res 178
Pages: 135-140
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[Journal Article] Transient functional suppression and facilitation of Japanese ideogram writing induced by repetitive transcranial magnetic stimulation of posterior inferior temporal cortex.2006
Author(s)
Ueki, Y., Mima, T., Nakamura, K., Oga, T., Shibasaki, H., Nagamine, T., Fukuyama, H.
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Journal Title
J. Neurosci 26
Pages: 8523-8530