2007 Fiscal Year Annual Research Report
SDS-FRL法を応用した脳内膜タンパク質の定量的局在解析法の確立
Project/Area Number |
18500252
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
深澤 有吾 National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 助教 (60343745)
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Keywords | 解剖学 / シナプス / 神経科学 / 受容体 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
神経細胞の膜上に発現する機能分子の局在を明らかにすることは、神経伝達の分子機構の理解に必須である。そこで膜分子の局在を定量的に解析できる凍結割断レプリカ標識法(SDS-digestedfreeze-fracture replica labeling,SDS-FRL法)を神経組織へ応用出来る様改良を加え、神経細胞膜上分子を高解像度且つ定量的に解析できる系の確立に向け研究を進めてきた。本課題では様々な工夫を現行のSDS-FRL法に加えることで、この方法の定量性を向上し、且つ、神経科学一般の研究課題に応用できる技術基盤を確立することを目指している。本年度の検討項目は、1)凍結組織割断時の各分子の分配様式を解析する方法と2)凍結組織の割断面を制御する方法の2点について行った。 1)については、細胞内外のドメインに共通の抗原タグを持つグルタミン酸受容体分子をコードする遺伝子を構築し、これをトランスジェニックマウス作製用ベクターに組み込んだ。既にマウス受精卵への遺伝子導入を開始した。マウスが得られ次第、凍結組織を作製し、得られた双面レプリカを坑抗原タグ抗体で免疫標識し、組織の割断時に膜貫通タンパク質がどの様に分配されるかを調べる。 2)については、通常確率的に起こる凍結割断をより積極的に制御することで、特定の細胞構造、特にシナプスが高確率で割断され、効率的な解析が行えることを期待した。この実験では、固定法、割断温度、割断方法を様々に変えてレプリカ標本を観察したが、それぞれが割断面に影響する場合が有るものの、実用レベルで適用できる技術的な向上には繋がらなかった。
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Research Products
(3 results)