2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳特異的キナーゼAATYKによる神経突起伸長の分子機構の解明
Project/Area Number |
18500253
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
友村 美根子 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経成長機構研究チーム, 客員主管研究員 (30217559)
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Keywords | AATYK / エンドサイトーシス / AP-2 / 神経突起伸長 / L1 |
Research Abstract |
AATYKはチロシンキナーゼドメインと高いオモロジーを持つが、セリンスレオニン活性の高いユニークなキナーゼで、N末端のパルミトレーションで膜に結合している。脳に多く発現しており、神経細胞の突起部のみならず成長円錐部にも豊富に検出される。神経突起伸長作用への関与が示唆されているがそのメカニズムは不明である。申請者はAATYKによる神経突起伸長の分子機構を明らかにする目的でAATYKと相互作用するタンパク質を探索し、クラスリンアダプタータンパクAP-2コンプレックスを同定し、解析をおこなった。エンドサイトーシスは様々な細胞機能において重要なプロセスであり、神経突起形成、軸索伸長にも関わることが知られている。AATYKはAP-2コンプレックスのalphaサブユニットと結合する。AATYKはエンドサイトーシスされたトランスフェリン小胞と共局在し、またクラスリンと形質膜で共局在していることをエバネッセンス光で観察した。キナーゼ欠損型AATYKを過剰発現させた細胞やAATYKノックダウンした細胞ではトランスフェリン及び神経特異的接着分子L1のエンドサイトーシスが減少する。AATYKの野生型とキナーゼ欠損型を発現した細胞ではAP-2アダプタータンパクのリン酸化が異なっていた。おそらくAATYKはAP-2と結合しクラスリン依存性エンドサイトーシスを制御することにより、神経突起伸長に関与すると考えられる。
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