2006 Fiscal Year Annual Research Report
比較解剖学的視点からみた嗅球の構造解析:げっ歯目と食虫目
Project/Area Number |
18500265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 九州大学, 医学部, 教授 (60202058)
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Keywords | 感覚系 / 嗅覚系 / 免疫細胞化学 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 介在ニューロン / 投射ニューロン / 神経回路 |
Research Abstract |
実施計画に従い、第1ラット・マウス嗅球解析では、 1)正常マウスC57BLの糸球体層の構成を詳細に調べた。糸球体内で、嗅神経がコンパートメント構造を成し、嗅神経からの入力を受ける介在ニューロン(タイプ1PG periglomerular cell ; GABA陽性、TH陽性)と入力を受けないタイプ2PG(CB陽性、CR陽性)が確認できた。化学的にはGABAとの共存状態に注目すると、ラットとの差異が明瞭であり、タイプ2PGの多くがGABA陽性であった。これらに関して免疫電子顕微鏡観察を行った。包埋前法でTHまたはCB、包埋後法でGABAをコロイド金標識すると、上の事象が電子顕微鏡レベルでも確認され、ラットの差異を確認できた。 2)マウス嗅球NOS陽性の解析で、NOS陽性は多様であり、他の動物で報告されているPG, granule cells, short axon cells, stellate cells及びその他の未同定介在ニューロンであった。更に他の動物で報告されていなかったexternal & middle tufted cellsの一部がNOS陽性であった。また、主嗅球からの投射ニューロンはmitral cell, tufted cellのみでなく、嗅球NOS含有ニューロンの一部は嗅球外への逆行性トレーサー注入により標識された。 第2 食虫目ジャコウネズミの嗅球解析では 1)非常に近い食虫目の種であるトガリネズミ(sorex)の嗅球ニッスル染色を観察し、糸球体の直下に小巣体が層構造をなし、嗅球全体に分布することを確認した。小巣体は我々がジャコウネズミ、モグラに発見した、tasseled cell系の突起が限局する場であり、これにより、トガリネズミにおいても、mitral cell, tufted cellと平行したもう1つの投射系の存在の可能性を発見した。
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Research Products
(5 results)