2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜ラフト調製法を用いたアミロイド関連蛋白質代謝調節機構の研究
Project/Area Number |
18500283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 隆 順天堂大学, 医学部, 教授 (70225845)
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Keywords | アミロイド / アルツハイマー病 / 膜ラフト |
Research Abstract |
アルツハイマー病の病理に中心的な役割を果たすβアミロイドの産生が細胞内コレステロールレベルにより制御されることが明らかとなっている。その機序の解明は新たな薬物ターゲットの発見につながる重要課題であるがその詳細は不明である。コレステロール・スフィンゴ(糖)脂質により形成されるミクロドメイン(膜ラフト)における結合蛋白質の解析からコレステロール依存性β切断調節の分子機構の詳細を明らかにすること、生細胞における蛋白質相互作用・膜ラフト局在の可視化及び機能阻害実験により、神経細胞におけるβ切断調節機構を膜ラフトの観点から解明することを目的に研究を行った。 その結果、以下の様な成果が得られた。 1.APPを含む膜ミクロドメイン中にAPP-βセクレターゼ相互作用調節蛋白質を見出した。ドミナントネガティブ変異体発現によりAPPのα及びβ切断を制御することを確認した。 2.copatching法による生細胞における膜ミクロドメイン局在、蛋白質相互作用の解析から、上記調節蛋白質がAPPの異なるミクロドメイン間の移動を制御していることを明らかにした。この移動がAPP-βセクレターゼ相互作用を調節している可能性を示した。 3.上記調節蛋白質の制御系を見出し、阻害薬、RNA干渉を用いて神経系株化細胞、初代培養神経細胞における効果を確認した。 4.上記調節蛋白質の膜ミクロドメイン結合やAPPの異なるミクロドメイン間の移動が、コレステロール、神経活動依存性に調節されていることを見出した。 今後は、より生理的な状態での膜ミクロドメインにおける分子間相互作用の観察を行いより詳細な分子機構の解明を目指す計画である。
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Research Products
(2 results)