2006 Fiscal Year Annual Research Report
幼若期ストレスの記憶・学習と神経新生への影響:特にヒスタミン神経系の役割について
Project/Area Number |
18500286
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 映子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90153949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 一彦 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50192787)
渡邉 建彦 東北大学, 名誉教授 (70028356)
山崎 浩道 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00166654)
岡村 信行 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40361076)
倉増 敦朗 東北大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90302091)
|
Keywords | 幼児期 / ストレス / 記憶・学習 / 神経新生 / ヒスタミン神経系 / 大気マイクロPIXE |
Research Abstract |
1.ヒスタミン神経系に関与する遺伝子改変動物の作成:既に入手飼育していたヒスタミン受容体(H1,H2,H3)欠損マウスを掛け合わせることによって、多重ヒスタミン受容体欠損マウスの作製を試みた結果、H1,H3受容体二重欠損マウスの純系の作製に成功した。現在その特徴を行動薬理学的に観察している。H1,H2受容体二重欠損マウス、H1,H2,H3受容体三重欠損マウスとそれらの野生型マウスの純系は確立しつつある。簡便な遺伝子型の決定のためのPCR条件は今までのプライマーの設計を一部変更することにより、市販のキットを利用することで確立できた。 2.若期ストレスモデルマウスの作成と行動薬理学実験:社会的隔離:離乳直後のマウスを一匹づつ個別のケージで飼育し、行動薬理学的方法で検査した結果、自発運動が個別飼育により有意に減少した。個別飼育4週間後のマウスに覚せい剤精神病モデルマウスを作成し、個別飼育のみの認知機能に対する影響と覚せい剤慢性投与による変化を驚愕反応、物体認識、条件付け、空間認知、受動回避試験を行った結果を比較したところ、物体認識、受動回避に関する障害は個別飼育の影響が覚せい剤投与で助長されないことが明らかになった。 3.マイクロPIXEによる神経新生のイメージングと評価:アレルギーのI型モデルであるラット好塩基球性白血病(RBL-2H3)細胞を用いて、抗原刺激前後の変化をマイクロPIXEでイメージが捉えられるかどうか検討した。目安として細胞内カルシウムの動き、ヒスタミン遊離などの主任研究者所有の基礎データーを重視して行った。その結果脱顆粒が起こった瞬間と見られるイメージを捉えることに成功した。現在PIXE分析に適した脳スライスの作成条件を模索し、画像処理を試みている。 4.神経伝達物質からみた幼若期ストレスの神経系への影響:測定条件は確立しているが、まだ測定継続の状態である。
|
Research Products
(7 results)