2006 Fiscal Year Annual Research Report
グリア特異的小胞体ストレスセンサーOASISの機能解析
Project/Area Number |
18500298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 晃子 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90208033)
眞部 孝幸 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90382283)
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Keywords | 小胞体ストレス / 転写調節因子 / 脳損傷 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
OASISノックアウトマウスにおける脳損傷実験では脳損傷周囲部の増殖細胞をBrdU標識法を用いて検討した。野生型との比較では特に増殖細胞数において有意な差は認められなかった。損傷周囲のアストロサイトの機能を見る目的で反応性アストロサイトが産生分泌し、神経再生にとって阻害性の効果を有することが知られているコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの発現をコンドロイチン硫酸基を認識するCS-56抗体を用いて免疫組織化学的に検討したところ、ノックアウトマウスにおいてCS-56陽性構造が有意に減少していることが見出された。これはOASISがアストロサイトにおいてコンドロイチン硫酸プロテオグリカンそのものの産生或いはコア蛋白のコンドロイチン硫酸修飾のいずれかを制御していることを示唆するものである。現在この点について更なる検討を加えている。 またOASISノックアウトマウスからアストロサイトを培養し、これに小胞体ストレスを与える実験を行ったところ、野生型由来のアストロサイトに比して有意に細胞死が誘発された。野生型のアストロサイトではOASIS蛋白が小胞体ストレスが加わった際に小胞体膜から切断されてN末端の領域が核に移行することも生化学的に証明できた。現在このN末端領域がいかなる遺伝子発現を制御しているかについてDNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に検索している。これらの研究からOASISが脳保護、損傷神経の再生にいかなる役割を果たしているかについて重要な知見が得られるものと期待される。
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