2006 Fiscal Year Annual Research Report
αシヌクレインが制御するチロシン水酸化酵素の細胞内安定性と神経細胞死の解析
Project/Area Number |
18500301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
中島 昭 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (20180276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 明 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10247637)
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 名誉教授 (40064802)
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Keywords | チロシン水酸化酵素 / 安定性 / リン酸化 / αシヌクレイン |
Research Abstract |
パーキンソン病の疾患遺伝子としてαシヌクレインやパーキン等が発見され、ユビキチン・プロテアソーム系を介した細胞内蛋白質の分解異常と、パーキンソン病発症との関連性が近年注目されている。この一連の報告の中で、カテコールアミン生合成系律速酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)が、パーキンソン病の発症・進行において重要な役割を担っている可能性が指摘されているが、その詳細は不明である。本研究の目的は、神経細胞死におけるTHの役割を、細胞内におけるTHの安定性の変化、並びに、その結果として生じるカテコールアミン生合成量の変化から解明することにある。 平成18年度は、THのN端配列Met^1-Asp^<22>が本酵素の細胞内安定性に重要な役割を果たしていること、及び、この配列中にはプロテアソームの標的となるPESTモチーフ(Proline, Glutamate/Aspartate, Serine and Threonine Motif、Met^1-Lys^<12>)が存在することを発見した。加えて、このN端配列Met^1-Asp^<22>中に存在するSer^<19>残基のリン酸化とPESTモチーフとの相互作用が、THの細胞内安定性に重要な働きをしている可能性を明らかにした。すなわち、THの活性調節並びに構造変化に大きな影響を与えているリン酸化部位Ser^<19>、Ser^<31>、Ser^<40>の中で、特にSer^<19>のリン酸化が引き起こすN端領域の構造変化が、プロテアーゼ分解性の変化を介して、THの細胞内安定性を変化させる可能性を発見した。
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Research Products
(1 results)