2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存成立関連生体因子の同定と遺伝性相違解析によるテーラーメイド医療への応用
Project/Area Number |
18500302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80204452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝崎 真裕 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80412162)
大熊 誠太郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30152086)
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Keywords | 薬物依存 / 依存性薬物 / 高電位開口性カルシウムチャネル / Ca^<2+>センサー蛋白 / 細胞内カルシウム濃度 / 初代培養神経細胞 / 報酬効果 / リアノジン受容体 |
Research Abstract |
薬物依存症に対する新規治療・予防薬の開発に必要な基礎的成績を得ることを目的として、精神依存モデル動物において認められるL型高電位開口性カルシウムチャネル(HVCC)機能の亢進作用に対して、影響を与える生体因子の発現変化について検討した。精神依存成立時に認められるHVCCの機能亢進は、L型HVCCα1およびα2/δサブユニットのリン酸化に伴う調節は関与しないこと、細胞内リアノジン受容体機能亢進に伴う細胞内Ca^<2+>濃度の上昇、つまりCa^<2+>-induced Ca^<2+> releaseが重要な役割を担っていることが判明した。さらに、リアノジン受容体機能を一過性に抑制させた動物では、依存性薬物による報酬効果およびL型HVCCの機能亢進作用は減弱・消失することが観察された。したがって、依存性薬物による神経細胞内のCa^<2+>動態変化には、小胞体による調節機構が極めて重要であると考えられることから、これら変化に連関する細胞内機能性蛋白質を検索したところ、フォスファチジルイノシトールキナーゼ類の活性化が関与していることが判明した。つぎに、神経細胞における依存性薬物曝露後の細胞内Ca^<2+>センサー蛋白の動態変化について検討したところ、これら蛋白の細胞膜側への一過性の局在変化が、リアノジン受容体の機能亢進に先行して生じることが明らかとなった。本研究の結果から、依存性薬物によるL型HVCCの機能亢進と、これに続くリアノジン受容体の機能亢進進を介した細胞内Ca^<2+>の動態変化が、薬物依存形成に重要な役割を担っていることが明らかとなった。またこれら疾患に至る神経化学的な共通経路としてリアノジン受容体の機能亢進が極めて重要であることが判明した。
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Research Products
(6 results)