2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外ATPによるミクログリア遊走能の調節機構の解明
Project/Area Number |
18500307
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
大澤 圭子 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所代謝研究部, 室長 (40392435)
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Keywords | ミクログリア / 細胞遊走 / ATP / PLC / シグナル伝達 / 脳・神経 |
Research Abstract |
ATP刺激によりミクログリアの細胞接着性が高まることから、本年度は1)細胞接着分子インテグリンのATPによる活性化を解析し、2)インテグリンのミクログリア突起伸長への関与を検討した。 1)ATPによるコラーゲンゲルに対する細胞接着活性の亢進は、P2Y12選択的アンタゴニストで処理したミクログリアで抑制され、インテグリン阻害剤RGDペプチドあるいはβ1インテグリン特異的機能抑制抗体で処理した場合にも阻害された。これらの結果から、細胞接着活性の亢進はP2Y12を介して引き起こされ、β1インテグリンが関与することが示された。また、活性化型β1インテグリンを認識する抗体を用いた免疫沈降反応法で、ATP刺激によるβ1インテグリンの活性化を調べた。その結果、P2Y12を安定発現させた細胞株では活性化が認められたが発現していない細胞では認められなかったことより、P2Y12を介した細胞内シグナルによりβ1インテグリンが活性化されることが判明した。 2)三次元コラーゲンゲルを用いたミクログリアの突起伸長アッセイ系におけるRGDペプチドあるいはβ1インテグリン特異的機能抑制抗体の影響を調べたところ、両者により有意に抑制された。 以上の結果から、ATP刺激による突起伸長にはβ1インテグリンが関与し、P2Y12を介したβ1インテグリンの活性化による細胞接着性の亢進が突起伸長に必要であることが強く示唆された。
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Research Products
(3 results)