2006 Fiscal Year Annual Research Report
小脳皮質・小脳核間の機能構築の関係と小脳核における入力の統合に関する研究
Project/Area Number |
18500309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉原 泉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (60187656)
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Keywords | 小脳 / プルキンエ細胞 / 小脳核 / 小脳皮質 / ビオチン化デキストラン / アルドラーゼC / ラット / 神経解剖学 |
Research Abstract |
われわれは、アルドラーゼC染色と下オリーブ小脳投射の順行性標識の二重染色により、小脳皮質と小脳核において、アルドラーゼC発現パタンに裏付けられた機能構築(分子コンパートメント)の存在を明らかにしてきた(下の研究発表の2,3)。しかし、小脳皮質の基本区分である小葉構造が小脳核にどのように表現されているかは未だよく分かっていない。本研究では、小脳皮質の小葉構造が、小脳核でどのように表現されているのかを、解剖学的また、電気生理学的方法により解明し、その結果から、脳幹-小脳皮質-小脳核間の神経回路の構築の基本原理をつきとめ、小脳核における小脳出力の統合につき検討することを目的としている。 実験動物としてラットを用い、まず、小脳皮質にビオチン化デキストランを微少注入して少数のプルキンエ細胞を標識し、プルキンエ細胞の単一軸索の全走行を三次元的に再構築して、その投射パタンを解析し、単一軸索の投射範囲の広がりを把握した。その上で、小脳皮質のいろいろな場所に多数のビオチン化デキストランを微少注入した標本を作製することにより、小脳皮質の各小葉において縦のコンパートメントそれぞれが小脳核のどこに投射するかを系統的に調べた。以上の結果から、小脳皮質-小脳核間の神経回路の構築の基本原理を構築しつつある。ついで、英国のブリストル大学のApps教授との共同研究により、下肢の体性感覚応答を受けると同定したプルキンエ細胞の単一軸索の基本形態の解析を行い、小脳核における下肢領域の構築を検討している。以上の成果を記述した学術論文を投稿に向け準備中である。
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