2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ電極法を用いたマウス網膜光応答に対するプリン受容体修飾効果の検討
Project/Area Number |
18500312
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金田 誠 Keio University, 医学部, 准教授 (30214480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 幸雄 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00051871)
金子 章道 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00051491)
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Keywords | マウス / 網膜 / ATP |
Research Abstract |
網膜スライス標本上で、GFP陽性像を指標にして同定したON型ならびにOFF型コリン作動性アマクリン細胞からパッチクランプ法を用いてATP応答を記録した。ATPを投与するとOFF型では大きな内向き電流応答とシナプス前終末からのGABA入力の増大が見られたが、ON型ではATPに対する応答がほとんど観察されなかった。そこでOFF型に存在するプリン受容体のサブタイプについて薬理学的な検討を加えた。薬理学的実験から、OFF型コリン作動性アマクリン細胞にはP2X2型プリン受容体が存在することが明らかとなった。またOFF型コリン作動性アマクリン細胞へのシナプス前終末からのGABA入力は別のP2型プリン受容体で制御されていることが明らかとなった。 マウス網膜神経節細胞にマルチ電極法を適用し、コンピューターディスプレイの明るさをコンピュータープログラム上で変化させ、網膜に光刺激を行うことでON型とOFF型網膜神経節細胞から光刺激に対する応答を記録することができた。またON型とOFF型からの光応答の記録システムと光応答の解析システムを確立することができた。現在これらの網膜神経節細胞の光応答がP2型プリン受容体を介する修飾を受けているかどうかを明らかにする目的で、P2型プリン受容体の阻害薬であるPPADSを投与したときのON型とOFF型の光応答がどのような修飾を受けるか検討を加えているところである。またこのときON型とOFF型で経路特異的な修飾機構が存在するかどうかについても検討を加える予定である。
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