2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500315
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
関 和彦 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 助教 (00226630)
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Keywords | 霊長類 / 脊髓 / 無麻酔 / シナプス前抑制 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは下降性運動指令のシナプス前抑制を介した末梢感覚入力修飾機構について調べてきた。これまでは主に皮膚神経について調べてきたが、昨年度から運動制御により密接に関与していると想定される筋神経について調べてきた。試行錯誤の上、手首伸筋群支配の筋神経である擁骨神経深枝に慢性埋め込み型カブ電極の装着手術に成功した。I群求心神経からの感覚入力はこの新たなグループの介在ニューロンを介して、筋張力の制御に積極的な役割を果たしている事が明らかになった。この方法は、過去に行われてきた急性実験における脊髄ニューロン同定方法とcomparableであり、入出力の詳細が同定されてきた脊髄ニューロンの随意運動の制御における働きを研究する上で強力なツールになる。次に、どのような下行路がシナプス前抑制を引き起こすのかについて検討した。この問題はネコについては多くの知見があるが、霊長類でその神経経路を調べた同種の知見は皆無であった。そこで、我々はサルを対象とした急性実験によって、手や腕の求心神経末端部に脱分極(PAD)を引き起こす経路の探索を始めた。図2はその一例である。第一胸髄のdorsal rootの脱分極が反対側の延髄錐体(A)、反対側の一次運動野の手指領域(B)への電気刺激によって誘発された。これによって、皮質脊髄路が上肢求心神経端末にPADを引き起こす経路が、霊長類においても存在する事が明らかになった。
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