2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい疾患モデル動物の開発:CF-1系由来白内障マウスの特性の解明
Project/Area Number |
18500329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡田 利也 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00169111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向本 雅郁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (80231629)
松山 聡 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (10254442)
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Keywords | CF-1系マウス / 遺伝解析 / 遺伝性白内障 / 修飾遺伝子 / 皮質型白内障 / BALB / c系マウス / MSM / Ms系マウス |
Research Abstract |
本研究はCF-1系マウスに新たに発見された遺伝性白内障の特性を明らかにし、新しい疾患モデル動物として確立することを目的としている。本年度はCF-1系由来遺伝性白内障マウスにおける遺伝様式、形態学的特性ならびに原因遺伝子の存在する染色体を明らかにした。さらに、本白内障に対する修飾遺伝子の存在を明らかにした。 1.本白内障マウス同士交配による次世代での肉眼的発症時期は生後14日齢から22日齢で、雌雄間で発症率に差が認められず、100%であった。BALB/c系マウスとの交配によるF1世代での発症率は0%、F2世代での発症率は22.8%であった。MSM/Ms系マウスとのF1世代での発症率は0%、F2世代での発症率は24.0%、戻し交配世代での発症率は50.9%であった。このことから、本白内障は常染色体劣性遺伝の様式をとることがわかった。2.組織観察により開眼前の生後7日齢で水晶体皮質前部および後部で水晶体線維の配列の乱れ、水晶体線維の膨化と空胞化が見られ、皮質型白内障であることがわかった。3.MSM/Ms系マウスとの戻し交配世代について連鎖解析を行った結果、本白内障の原因遺伝子はD16Mit185〜D16Mit115間の0.40cMの領域に存在することがわかった。4.MSM/Ms系マウスとのF2世代では発症時期に変化が見られなかったが、BALB/c系マウスとのF2世代では発症時期が16〜52日齢と66〜100日齢の2峰性の発症パターンを示した。また、表現型も生後18日齢〜34日齢で発症するpin head型と生後28日齢〜100日齢で発症する拡散型の2種類が認められた。発症時期ならびに表現型の変化から、BALB/c系マウスには本白内障遺伝子に対する修飾遺伝子が存在することがわかった。5.本白内障とBALB/c系マウスとのF2世代におけるpin head型20例、拡散型20例で連鎖解析を行った結果、本白内障マウスに拡散型の表現型を引き起こす遺伝子が第9染色体上に存在することがわかった。 以上のことから、CF-1系由来遺伝性白内障マウスにおける遺伝様式、形態学的特性、原因遺伝子の染色体上での詳細な位置が明らかになった。さらに、BALB/c系マウスは本白内障発症に影響を及ぼす修飾遺伝子を有することが明らかになった。今後は、本白内障マウスの行動学的特性を明らかにするとともに、原因遺伝子の同定、候補遺伝子、ヒトにおける相同遺伝子および修飾遺伝子を明らかにするための実験を計画している。
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Research Products
(1 results)