2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい疾患モデル動物の開発:CF-1系由来白内障マウスの特性の解明
Project/Area Number |
18500329
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡田 利也 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (00169111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向本 雅郁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80231629)
松山 聡 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10254442)
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Keywords | CF-1系マウス / 遺伝解析 / 遺伝性白内障 / 修飾遺伝子 / BALB / c系マウス / MSM / Ms系マウス |
Research Abstract |
本研究はCF-1系マウスに新たに発見された遺伝性白内障の特性を明らかにし、新しい疾患モデル動物として確立することを目的としている。本年度は以下のことを明らかにした。 1.実体顕微鏡による観察によって開眼前の生後7日齢で水晶体の混濁がみとめられ、日齢の進行とともに混濁領域が拡大した。2.本白内障マウスとMSM/Ms系マウスとの戻し交配世代495例(発症個体256例、非発症個体239例)について連鎖解析を行った結果、本白内障の原因遺伝子はD16Mit92〜D16Mit185間の0.80cMの領域に存在することがわかった。3.連鎖解析により絞り込んだ領域付近には5つの遺伝子と3つの偽遺伝子が存在した。5つの遺伝子のうちLOC100043524、LOC100043806、Nsun3のmRNAについて発現の差をRT-PCR-RFLP法を用いて比較したが、それらの発現に差はみられなかったことから、Epha6およびEG668168が候補遺伝子である可能性が考えられた。4.BALB/c系マウスとのF2世代で認められた二つの表現型、pin head型(生後18日齢〜34日齢で発症)70例と拡散型(生後28日齢〜100日齢で発症)30例を用いた連鎖解析の結果、第9染色体上のD9Mit281〜D9Mit19の間に修飾遺伝子が存在することがわかった。5.原因遺伝子および修飾遺伝子の存在する領域はそれぞれヒト第3染色体上q11.2およびp22.2の領域に相当し、原因遺伝子ならびに修飾遺伝子の解明によりヒトでの相同遺伝子を特定することができると考えられた。 以上のことから、CF-1系由来遺伝性白内障マウスの形態学的特性、候補遺伝子および修飾遺伝子の存在する領域が明らかになった。また、それらの領域はヒトでも保存されており、ヒトの皮質型白内障モデルとして役立つことが示唆された。
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Research Products
(3 results)