2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川本 英一 東京医科大学, 医学部, 助教授 (20074718)
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Keywords | Pasteurella pneumotropica / 肺パスツレラ / 細菌 / 遺伝的性状 / 生物・生化学的性状 / 感染 / 病原性 / 実験動物 |
Research Abstract |
Pasteurella pneumotropicaの遺伝的性状と生化学性状の解析 P.pneumotropicaの標準株4株、野外分離株48株から16SrRNAをコードする領域(16SrDNA)の内、約1,500bpをPCRで増幅し、制限酵素HaeIIIを用いて断片解析をしたところ、4パターンの多型を示すことが分かった。さらに、16SrDNAの塩基配列を決定し、系統樹解析を行った結果、5つのクラスターを形成することが分かった。制限酵素解析と16SrDNAの塩基配列解析によって分類されたパターン(クラスター)は、マウスおよびラットなどの分離動物の違い、血液寒天上で示される溶血性による違いに相関があることが分かった。また、P.pneumotropicaの標準株と野外株のゲノミックDNAを分離し、制限酵素(NotIまたはApaI)を用いて完全消化した後に、パルスフィールド電気泳動(PFGE)により多型解析を行い、UPGM法を用いて系統樹解析した結果、9〜10のクラスターを形成することが分かった。これらのクラスターは、分離動物の違いには相関を示さなかったが、明確な溶血性を示すすべての分離株は、PFGEのゲル上では特異的なパターンを示した。PFGEを用いて、環状ゲノミックDNAのサイズを測定したところ、2.3Mb〜3.2Mbを示し、マウス由来株よりもラット由来株のほうが大きいこと(P>0.05)が明らかになった。これらの遺伝性状解析から、P.pneumotropicaには少なくとも4タイプが存在し、その中でも複数のサブタイプに分類されることが示唆された。生化学性状については、アミノ酸や炭素源などの6項目について試験した結果、明確な溶血性を示すラット由来のべての株は、Hey1型と同一の性状を示すことが明らかになった。以上の結果から、P.pneumotropicaには生化学性状からも少なくとも2タイプが存在し、遺伝的にも生化学的にも不均一性を示すことが確認された。
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Research Products
(5 results)