2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500333
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川本 英一 Tokyo Medical University, 医学部, 准教授 (20074718)
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Keywords | Pasteurella pneumotropica / 肺パスツレラ / 細菌 / 毒素 / RTX toxin / 感染 / 病原性 / 実験動物 |
Research Abstract |
Pasteurella pneumotropicaの遺伝的多様性を多角的に分析するため、生化学性状や遺伝子サイズや配列などの情報を、性質が異なる複数の要因を一元化する統計処理法(主成分分析)によって解析した。16Sribosomal RNA(rRNA)およびRNA polymeraseβサブユニットをコードするrpoBの塩基配列を用いた系統樹解析の結果、5〜6のクラスターに分類されることがわかった。16S rRNAとrpoBの系統樹解析の結果は互いに近似しており、宿主や溶血性に依存したクラスターが形成された。また、同時に菌株間によって著しく利用性が異なる炭素源複数種を選択し、資化性の違いに基づく解析を行ったところ、6つのクラスターに分類された。さらに全供試菌株のゲノミックサイズを測定した結果、菌株間によって1.6Mbもの差があり、マウス分離株よりラット分離株のゲノミックサイズのほうが小さい傾向にあることがわかった。これらの、それぞれの菌株のゲノミックサイズと炭素源の違いによるグループ、rpoB遺伝子の部分配列によるクラスターを要因として加味した主成分分析を行うと、3つのグループに大別されることがわかった。即ち、マウス、ラットの宿主に依存するそれぞれのグループと両者の由来宿主が混合された1グループに分類された。この結果を、当菌の外毒素の一つと考えられているRTX toxinの菌株間分布状況と比較すると、3グループのうち、マウス由来株が多く存在するグループの菌株が2つのRTX toxinタンパク質のうちserralysin motifが存在するPnxIIAを保有している傾向にあることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)