2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症糖尿病ラット(WBN/Kob)の糖尿病網膜症に関する研究
Project/Area Number |
18500335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
松浦 哲郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (20268494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良間 功 摂南大学, 薬学部, 教授 (80268490)
尾崎 清和 摂南大学, 薬学部, 講師 (40268496)
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Keywords | ラット / 糖尿病 / 網膜症 / 形態計測 |
Research Abstract |
長期間の血糖が網膜内血管の基底膜に与える影響について 方法:糖尿病を発症した18ヵ月齢および24ヵ月齢のWBN/Kobの雄とその対照として18ヵ月齢および24同月齢のWBN/Kobの雌および12ヵ月(発症前)のWBN/Kobの雄および雌を用いた。10ヶ月齢から月に一回血糖および尿糖を測定し、血糖値が200mg/dl尿糖が陽性となり、この状態が継続したものを糖尿病動物として用いた。動物を麻酔した後グルタールアルデヒド、パラホルムアルデヒド混合固定液で全身灌流固定し、眼球組織を採取しエポン包埋光顕、透過型電顕標本を作製した。トルイジンブルー染色を施した光顕標本を詳細に観察し、その病変の頻度、程度を判定した。電顕的には、透過型電子顕微鏡をもちいて網膜各層の血管に関して定性的に観察し、その病変を見いだすとともに、頻度、程度を記録した。 結果:雄WBN/Kobラットの網膜内の血管の基底膜は明らかに肥厚していた。また、色素上皮細胞層に最下層(外網状層)の毛細血管が侵入し、毛細血管瘤と一致すると思われる血管の集塊が観察された。電子顕微鏡的にもその基底膜の肥厚は明らかであり、内皮細胞の非薄化および周皮細胞の変性も観察された。 まとめ:雄WBN/Kobラットでは糖尿病の長期化により、明らかに網膜内の毛細血管の基底膜の変化を主とする超微形態変化が生じていることが明らかになった。
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