2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500340
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 元博 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10333808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
甘利 正和 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50400312)
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Keywords | 生物フォトン / がん / 外科学 / 病理学 |
Research Abstract |
がん手術において迅速病理診断は病変の悪性診断のみならず、切除断端における腫瘍の遺残の判定により正確な切除範囲を決定する上で欠かせない病理検査であり、個々の患者の病期に合わせた、いわば外科手術の個別化を実現する基本的検査法と言うことができる。しかしすべての病院に病理医がいるわけではないため、迅速病理診断ができるわけではなく、現実的に多くの病院では迅速病理診断を行うことができない。こうした病院では、外注で行うことがあるが、手続きが煩雑で手術時間の延長の問題があるため、初回手術の後に病理診断を基に再手術が行われることも少なくない。我々はこれまで生物フォトン現象の研究過程おいて、悪性腫瘍組織が極微弱な光を発することを示してきた。今回、その結果を基に手術組織の生物フォトン計測からがん悪性度診断を試みている。従来生物フォトン計測は30分以上の計測時間を要するため、標本の輸送時間を合わせると迅速病理診断には向かない面があった。我々は高開口度レンズや高感度ディテクタ等、種々の工夫から15分程度で計測可能な方法を開発した。 本年は担癌動物の腫瘍について計測を行い、更に長時間の安定な計測条件を求めた。その結果、冷却と最適ガス選択により最適な計測を行い得る1時間程度の保存が可能になった。当施設における手術室から計測装置までの移動、設定、計測開始に1時間程度を要することから、ヒト標本を計測するのに最低限の保存が可能になったと言える。 現在移植腫瘍について更に他の腫瘍について有用性の検討を行っている。なお、乳がんについては病理診断の臨床試験を行うべく準備中である。本方法は組織形態によらず、組織の生理的機能から悪性診断を行い得る方法であり、実用化が期待される。
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Research Products
(5 results)