2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺動脈内皮細胞伸展刺激によって生じる遺伝子発現変化の網羅的時系列解析
Project/Area Number |
18500348
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野城 真理 Kitasato University, 医療衛生学部, 教授 (80014231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弘祐 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70153632)
原田 芳照 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20060577)
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Keywords | 人工呼吸関連肺損傷 / 伸展刺激 / 肺動脈内皮細胞 / 網羅的遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
肺動脈内皮細胞の伸展によって生じるサイトカイン産生と遺伝子発現変化について、過去2年間の結果に基づき、(1)シリコン膜の伸展率とコンフルエントな状態の細胞の伸展率の検討、(2)伸展実験のための細胞培養条件の至適化、(3)細胞の形状が細胞の伸展率に及ぼす影響、(4)伸展実験による細胞の障害度の測定と遺伝子発現解析、について研究を進めた。 (1)肺胞動脈内皮細胞を用いた場合、コンフルエントな状態でも、疎な場合と同様に、シリコン膜の伸展率と動脈の伸展率はほぼ等しいことが示された。 (2)培養液がサイトカイン産生増加に及ぼす影響を最小限に抑えるために、培養液を交換せずに栄養成分等を補給できる分子拡散法を用いることを検討し、さらに、血液透析用の膜を用いて、分子拡散培養法の改良を行った。分子拡散のみでは栄養成分等の移動速度が十分でないことが判明したので、透析用中空糸を培養皿中に浸すことによって拡散速度を促進させ、十分な拡散速度が得た。 (3)肺動脈内皮細胞とは形状が異なる肺胞上皮細胞は、シリコン膜への接着状態も異なる可能性がある。肺胞上皮細胞を用いて、細胞が疎な状態とコンフルエントな状態で、シリコン膜の伸展率と細胞の伸展率を計測したところ、いずれの状態でも細胞の伸展率はシリコン膜の伸展率を下回ることが示された。 (4)肺胞動脈内皮細胞を伸展したときに生じるアポトーシス関連遺伝子の発現データのパスウェイ解析と、伸展によって生じる遺伝子発現のパスウェイ解析を行い、両者を比較した。さらに、ずり応力を加えたときに生じる遺伝子発現の過去の報告とも比較した。それらの間の関係を示唆する結果が得られたが、なお実験を進め、詳しい解析を行う必要がある。
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