2006 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素シミュレーションによる眼窩吹き抜け骨折発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
18500349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永竿 智久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20245541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 龍夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095633)
玉木 保 日本工業大学, 工学部, 教授 (10049695)
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Keywords | 吹抜け骨折 / 整復 / プレート / 外傷 |
Research Abstract |
眼窩周辺に外力が作用した際に、衝撃が眼窩内の骨に伝播して、眼窩壁に骨折が生じる。この骨折は一般に吹き抜け骨折と称される。吹抜け骨折が生じる眼窩内の部位は外力に応じて種々変化する。眼窩内の骨折は、それが生じる部位により症状の重篤性ならびに治療方法が全く異なる。よって、外力の状態に応じてどの部位に骨折が生じるかを解明することは臨床上重要であり、当該研究はその解明を目的とする。すなわち当該研究においては、眼窩周辺に対して加わる衝撃の性質が、骨折を生じる部位・骨折の程度にどのように影響するかを解明する。 平成18年度にはその第一歩として、衝撃が加わる角度が、吹きぬけ骨折の面積に与える影響について解明をおこなった。実際頭蓋を模したCADモデルを10体作成し、これらに対して眼窩下領域に衝撃を与えるシミュレーションを行った。水平面に対して0度・15度・30度の俯角より衝撃を加え、有限要素法を用いて、破断領域の面積を計算した。この結果、シミュレーション上の骨折面積は、衝撃が俯角30度・15度・0度に加えられた順番に広くなることが判明した。このことより、下方より衝撃が加わった際に、より広い眼窩下壁に骨折が生じることが解明された。以上の研究成果につき、米国形成外科学会の学会認定誌であるPlastic and Reconstructive Surgeryに発表した(Nagasao T et al. The Effect of Striking Angle on the Buckling Mechanism in Blowout Fracture, Plastic and Reconstructive Surgery 117:2373-2380,2006)。 また、顔面骨のCADモデルを用いて、口蓋裂患者におけるインプラントの安定性(Nagasao T et al. The Dynamics in Implantation for Cleft Patients. Cleft Palate and Craniofacial 43:84-91,2006)ならびに下顎骨切除後のプレート固定の安定性(Kimura A, Nagasao T et al. Adaquate fixation of plates for stability during mandibular reconstruction.34:193-200,2006.)に関しても解明を行った。
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Research Products
(4 results)